「ここが、新選組屯所・・・。」

刹那は、浪士組へと来ていた。

そのとき―――

「何者。」

刹那は何処からか現れた男に、刀を突きつけられた。

「俺は別に、怪しい者じゃありませんよ。」

「ならば、何しに此処へきた。」

「何しにって・・・。そんな無粋な事、聞かなくても分かるでしょう?入隊希望ですよ。」

「・・・着いて来い。」

男は刀を外すと、屯所の門を潜って、中へ入っていった。

(っと、とりあえず平気そうだな。)

刹那の前を歩く男は、背後ががら空きだった。

(よくもまぁ、そんな余裕で・・・。)

「土方副長、入ってもいいでしょうか。」

「おう。入れ。」

男に通された部屋には、男が二人座っていた。

「近藤局長までいらしたのですか。」

「あぁ、ちょいと野暮用でな。」

(こっちのが近藤・・・。では、こっちが土方か。)

「おい、斎藤。そいつは誰だ?」

「入隊希望者だそうです。門の前にいたので、連れて来ました。」

「刹那です、新選組へ入隊させて頂きたく、参りました。」

その言葉を聞いていたのか否か、土方はいきなり立ち上がると――

チキン・・・

刀を抜き、座ったままの刹那の首に刀を突き立てた。