ある茶屋に、

袴を着た者がきていた。

「団子一本とお茶ひとつ。」

「はいはい。少しお待ちを。」

注文を済ませたそいつは、

ふと隣の浪士の話を聞いていた。

「おい、知ってるか新選組の噂。」

「あぁ、なんか大義名分掲げているくせに、

やってる事は胡散臭い事らしいって噂だぜぇ。」

「それで、いるのは男だけだろ?そんな花の無いところ、

誰も入りたがらないって。」

「お待ちどうさま。」

「あぁ。ありがとう。」

その者は、運ばれてきた団子を食べながら、

物思いに耽っていた。

(大義名分を掲げる、壬生の狼・・・。)

「ごっそさん。お代は此処に置いとくぜ。」

「はぁ。ありがとうございました。」

その者、名を刹那といった。