~金木犀が香る頃~


一限目が始まる前に保健室に行こーっと。


教室を出て保健室に向かう。


あっ…あたし保健室知らないじゃん。


そう思ってたら茶髪の傷んだ髪にさらにワックスで盛ってるいかにもな男子に話しかけられた。


「君可愛いねっ!1年?!」

『あー…はい。』

あたしこうゆうタイプ好きじゃないんだよね。チャラ男的な?


「何?迷ったの??」

『いえ、大丈夫です。』

と笑顔で答える。

「てゆーか、ガチで可愛いね。俺と付き合わない?」


『ごめんなさい…。好きな人が居るの。』


「いいじゃん、俺と付き合ってよ!」


好きな人が居ると言って逃げようとした美咲の腕を掴んできた。


……………。


『あたし、黒髪で大人な落ち着いてる人が好きなの。…………あなたとは正反対みたい。出直してきて?』


美咲が満面の笑みで言うとチャラ男の顔が一瞬引きつり、もっと腕を強く握ってしてきた。


『おい、何してんだ?』


白衣を纏った、保健室の先生が腕を引き離してくれた。