~金木犀が香る頃~



ホームルームが終わると、クラスの男子が美咲の席の周りに集まってきた。

「彼氏居んの?!」

など一斉に男子に質問され、『彼氏はいないよ。』と答えた。


ゆづきが居ないなぁ~


『ねぇ、ゆづき知らないかな?』

「ゆづき?あぁ、保健室じゃね?」

『そっかぁー、えっと……』


「あっ俺、西嶋 南(にしじま みなみ)ね!」


『うん、ありがとう!南くん!』


美咲の天使のような微笑みにしばし赤面する南。

『ん、どうしたの?』


美咲が首を傾げて訪ねると、南はなんでもない!と言って慌てて教室から出てった。