~金木犀が香る頃~



『美咲、さっきどこ行ってたの?』


『あぁ、えっと、ちょっと屋上に行ってたの。』


ゆづきの質問に答えを濁す。


『…桐谷くんと一緒に?』



体が桐谷の名前にビクっとした。
さっきの事を思い出し、咄嗟に首筋を腕で隠す。



『違うよ、先輩に呼び出されただけ。でも優兄には言わないで!心配しちゃうから…。』


『優さん、過保護だしね。一回一回心配されちゃぁねぇ。』