~金木犀が香る頃~



『とにかく佐藤先輩とは、付き合うつもりありません。』



ハッキリとそう告げると、佐藤先輩はどんどん詰め寄ってきた。

それに合わせて、私もどんどん下がる。


―――こんな事になるんだったら、来なければ良かった。


とうとう屋上の手すりに背中がつき、逃げ場をなくしてしまった。

佐藤先輩は覆い被さってきた。


『ちょ、佐藤先輩っ!』


実際、あまり怖くはない。

嫌なだけで。



――――タン


音の方向に目を向けると上から降りてきた、桐谷翔太だった。