~金木犀が香る頃~



「何で僕じゃ駄目なの?」



逆に何で自分ならいいと思うの?って聞きたくなる。


もちろんそんな事言わないけど。

佐藤君の腕を振りほどき、急ぎ足で出口に向かったが既にドアの前に立っていて出られない。



『佐藤先輩、もう授業始まっちゃうから…返して?』


首を少し横に傾け、甘えた声で言ってみる。


これで退いてくれるだろうと思っていたが、甘かった。



「こんなに好きなのに、どうして駄目なの?君を守ってあげるよ。」


こんなに好き?
私、転校してきたばっか何ですけど。


守ってあげる?私を?
…ふざけないで。