~金木犀が香る頃~



――――ガチャ


『優兄、待った?!』

「待った。時間ないからはよ後ろ乗れ。」



本当は待ってないけどちょっと拗ねてみる。

美咲はごめんねーと言いながら俺の転車の後ろに乗る。

俺が自転車を漕ぎ始めると『風が来て涼しいー』と言って背中にもたれ掛かってきた。


そんな些細な仕草にも、可愛いと思ってしまう。


高美高は近いからすぐに着いた。

「着いたぞ」

『はやーい!ありがとねっ!』

「じゃあ帰り教室行くから、待ってろよ?」

『あーい♪』


俺たちは行き帰りも、今まで一緒だった。

もちろんこれからものつもりだけど。