検査室と思われる小さな一室。

その中では、機器の画面を見つめる2人の男性の姿と、奥のベッドで眠る、ルリの姿があった。

横たわるルリの腕には、小さな管のような物が取り付けられている。

その中を通る、透明な液体…

それが何なのかはわからない。が、ルリの命には別状はないようだ。


 「どうだ…?」

画面をマジマジと見、キーボードを叩くメガネの男、彼の名は……フジ。

彼にレオンはルリの状態はどうか訊く。


 「…まだです……もうそろそろ……」

フジは、素早くキーボードを叩き、検査結果を把握しようとしていた。


     ピッ…ピー…

画面から流れる電子音。
それと共に様々な文字が流れ出す…


 「!でました!!」

結果が出たようで、フジは画面から離れ、レオンに道を譲る。


 「?……」

マジマジと結果の文を見るレオン。


その文を見るなり、目を見開いた…

そしてまた、初めから文を読み始める…


何度見ても変わらないその文を…


 「!!どういう、事だ…」

 「僕にも、何が何だか…」

画面から顔を離さずに訊くレオンに、フジは顔を伏せてそう答えた…


ルリの状態はどうだったのか…

大丈夫なのか…



机に両手をつき、画面から目を反らすレオン。

彼は悔しそうに拳を握り締める…


 「検査、終わったんだって?」

暗い雰囲気の中、元気な声を上げて部屋に入ってきた女性。

長身の、赤みがかったセミロングの髪…カナメである。


 「……」

 「?どうしたの?……」

カナメが入ってきても、何の返事もしない2人を見て、不思議に思い、結果の表示された画面へと目をやった…


「!嘘……」

信じらんない結果だったのか、カナメはキーボードを叩き、結果をもう一度表示させ直す…

しかし、何度やり直しても、結果は同じ…

結果を変える事は、できない…