「それで、どういう事だ?」
先程の迷いなど、なかったような顔つき…
いや、いつも以上に、希望に満ち溢れた彼の表情…
彼なら、全てを任せられる…
この世の全てを…
表情1つ崩さない長の顔が、今、ほんの少しだけ、ほころんだように見えた…
そう見えたのは、気のせいだろうか…
《今、闇の者達は、力をつけている……その影響により、DRAGONの主の数は、減ってきているのです…》
確かに…
ここにいるDRAGONの数は、異常だ…
日に日に数を増していると聞いた…
それも、闇の者が力をつけているせい…
《そこで、シュウ、貴方に、任務を与える。》
「任、務…?」
《この世の全てのDRAGONの主を、ここへ招集するのです。それが、貴方に与える任務。》
全ての主を招集する…
この世の全ての主を…!?
しかし、主を助ける為だ…
これ以上、犠牲を出したくない…
主をここへ集める…
それが俺に与えられた、任務…
ならばその任務、やってやろうじゃないか。
「それで長、主の数は何人ある?」
張り切る様子のマリン。
この話に乗る気のようだ…
《主の数は……》
マリンの言葉に、長は、この部屋にたった1つある、大きな椅子に深く腰掛けると、鋭い瞳をゆっくりと瞑った…
考え込むように瞳を閉じる長。何かを感じ取っているのだろうか、時折、長の眉が密かに動く…
辺りの空気が張り詰めて行くのがわかる…
身動き1つとれないこの空気…
緊迫した空気が肌を伝う…
そして長は口を開く…
《主の数は……10名………9名…………8………》
嘘だ…
そんなに少ないなんて…
それに、今もなお減り続けている…

