シュウは、おとなしく、DRAGONの遣いの後を追う。
正面を向き、自動的に開く扉を見つめていた。
同じくマリンも、いつも通り普通に、歩を進める。
そんな中、ライナスだけが、好奇心旺盛に、当たりをキョロキョロ見回すのだった…
止めてくれ…ライナス…
見ているこちらが、恥ずかしくなる…
「この建物の中にこんな所がな…初めて見たぜ…」
「マリンは何度かあるある。」
相変わらず、目を輝かせて周りの物を見つめるライナスは、言葉を漏らす。
その言葉に、顔を向ける事もなく、マリンはそう答えた。
その言葉に、やっと辺りを見回す事を止めたライナス。
内心、ホッとした…
「お前は外で任務してたからだろ。」
「ライナスは、そんな事しないあるからね。」
マリンへと目を向け、そう言うライナス。
その言葉に、マリンは嫌みに返すのだった。
眉を潜め、困った奴だ。と言うような表情…
その表情を見て、ライナスの頭に血が登ったようで…
「なんだと!?」
奥歯を噛み締め、睨みつけるように怒鳴りつける…
また始まったよ…
この2人、1日に何度喧嘩したらすむんだ…
飽きない奴だな…
シュウは、止める様子もなく、ほったるようである。
いずれ喧嘩は終わる。
マリンの攻撃か、威嚇によって…
いつものパターンだ。
マリンにはかなわない。
それがわかっていて、喧嘩を買うのだがら、ライナスも物好きだ。
いや、何故そうなるのかわかってないのか…?
勝てると思っているのだろうか…?
そんな事を考えながら、2人の言い争いを無視していると、
《お静かに。》
2人を止めたのは、DRAGONの遣いであった。
鋭い瞳を向け、これまでに見たこともないような恐い顔を向けている…
「あ、あぁ…」
彼女まで敵に回してしまえば、どうなるかわからない…
そう感じたのか、ライナスはおとなしく彼女の言う事に従った。
マリンは最後にもう一度ライナスを睨むと、鼻で笑い、シュウの横に並んだ。

