「……」
言葉を失い、扉を見つめるシュウ。
《お待ちしておりました。こちらへ》
そんなシュウの目の前に、小柄な少女が姿を現した。
身長差のあるシュウを見上げる少女。DRAGONの遣いである。
彼女は笑顔1つ見せる事もなく、巨大な扉へと向かって行った…
「あぁ…」
少し反応が遅れた後、返事をすると、彼女の後を追った。
彼女の背の何十倍もの高さの扉…
その扉のの前に立つと、音も無く、扉は開かれた…
触れた訳ではない、言葉を発した訳ではない…
その扉は、彼女が近づくだけで、何かを確認したかのように、ゆっくりと開いかれた…
中へと足を踏み入れる2人…
その後ろ姿を見送るように、ライナスとマリンは、階段の側で立ち止まっていた。
が、
《あなた方も…》
DRAGONの遣いは、振り返り、立ち止まる2人にそう言ったのだ。
「俺達も…?」
《はい。》
少し驚いた様子のライナスは、彼女に聞き返すが、彼女は、一言返事をしただけで、特に説明をしないまま、歩き出した。
「行くあるよ。」
特に変わった様子も見せず、固まるライナスの横を通り過ぎ、マリンはシュウの元へと歩いて行く。
「俺、初めてだ。」
そんなマリンに対し、ライナスは少し緊張している様子。
胸に手を当て、深呼吸すると、ライナスを置いて、DRAGONの遣いの後を追う2人の元に走って行った。
あの巨大な扉を通り抜け、DRAGONの遣いの後を追う中、特に変わった様子は見られない…
ただの、何もない部屋…
特徴的なのは、無数に立ちはだかる扉である。
その扉は、入り口の巨大な扉とは違い、普通の扉ではあるが、鏡のように、4人の姿を映し出。
その扉も、彼女が近づくと、勝手に道を開ける…
まるで、自動ドアのように、横にスライドし、4人が全員通過すると、自動に道を遮る…
不思議な光景だ…

