突然、少女を映し出していた四角い画面が、歪みだした…
鈍い音と共に、少女の姿は消え、四角い物体が光に戻る…
ー《お待ちしております…》ー
少女は最後にそう言い残すと、小さな光は弾け、粒子上になり、雪のように舞った…
幻想的な、その輝く粒に手を伸ばすシュウ…
しかし、その粒には、触れる事はできなかった…
掴めなかった拳を握り締める…
掴む事のできなかった輝く粒は、まるで、救えなかった小さな命のように見えたのは、そう感じたのは、俺だけだろうか……
消えた光へと手を伸ばしたままの状態で固まっているシュウ。
自分の差し伸べたその掌を見つめる瞳は、どこか、悲しみを含んでいるように見えた…
そんなシュウの隣にある椅子に腰掛けていたライナス。
彼は、両手を膝にポンと叩きつけ、その弾みで椅子から立ち上がると、部屋の出口まで歩いて行く。
ライナスの行動に気づいたマリンは、ピョンと椅子から飛び降り、その後に続く。
「行くぞ。」
「着いてくるある。」
2人は、扉の前に立ち止まると、光の面影に目を奪われているシュウへと声をかけた。
その声で現実へと引き戻されたシュウは、一言短く返事をすると、もう一度掌をギュッと握りしめ、それから立ち上がり、2人の元へと向かって行った…

