寝ていた体を起こし、しばらくその状態で考え事をしているシュウ。
特に重要な事ではない…
しかし、ここへ来て、様々な事があった。
頭の中を、整理しておきたかったんだ。
それを知ってか、ライナス、マリン2人は静かに、静寂を保ってくれた。
いつも賑やかで、口を閉じる暇のない2人。
そんな2人がおとなしくしてくれていたので、安心し、様々な記憶を辿っていた、その時だった…
突然、目の前に、小さな光が漂う…
フワリフワリと、シュウの胸元辺りをゆっくりと漂う光…
何なのかと、光を見つめていると…
それは音もなく弾け、四角い何かを作り出した…
薄く、そこにあるのかもわからないぐらいの小さな何か。
警戒しながら、見つめていると、その四角い物体に、人影が映る…
ー《シュウ、お目覚めのようで…》ー
人影がはっきりすると、その人物は声を発する。
「…あいつは、DRAGONの遣いだ。」
何が起こっているのかわからず、戸惑っていると、ライナスが囁くように教えてくれた。
「DRAGONの、遣い……」
DRAGONの遣いと呼ばれた人物。
肩までの短い髪を、耳にかけ、無一文に閉じられた、小さな唇が印象的な少女。
何もかもがしっかりとしている。
シュウ達よりも年下と思われるその少女だが、その鋭い瞳には、何の淀みも感じさせない、DRAGONの遣いに相応しい人物。
何も言わないシュウを見て、少女は続けた。
固い口調で…
ー《あなたにお話があると、長がお呼びです。》ー
長…?
……!…夢の中で出会った女性…
彼女は自らの事を長だと言っていた…
あれは、夢じゃ、なかったのか……

