DRAGONは、男性へと突っ込んでいく…

それは一瞬だった…


目にも留まらぬ速さで…DRAGONは男性の命を奪った…



そしてDRAGONは、憎しみの顔を向け、俺へと向かってくる…

 「っ…!」

DRAGONは、俺の中に戻っていった…

再び、封印されたのだ…



 「!!」

DRAGONが戻るなり、激痛が走り、立っていられなくなった…

脈を打つ腕を押さえ、膝を突く…




DRAGONを封じた男性は、呪文を唱えている格好で立ち尽くしていた…

そこへ、何者かが走り寄ってくる…


 「!ハァハァ…良かった…お父様…間に合って…」

茶色い髪の、幼い女の子…
男性を見つけるなり、走り寄り、話しかけるが…


 「…」

 「え…」

男性は、地面へと崩れ落ちた…

傷一つない…しかし、既に息をしていなかった…


男性は死んだ…DRAGONを封じ、自らの命を捨てて…



 「うっ…」

俺は痛みに耐え、顔を上げた…

そこには誰かがいる…


男性の後ろに女の子が立っていたのだ…

涙を浮かべる幼き少女…

 「…」


その女の子は、目を見開き、一点を見つめている

まるで、怪物でも見るかのように…


 「…」

そう、その目は、俺を見ている…


男性を殺した、俺を…