BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~


ルリが眠りに入って行った頃、シュウも、気を失うように倒れてから、ずっと眠り続けていた。



俺は夢を見た。

まるで、現実に起こっているような…


 《……ルイ…》

遠くから、俺を呼ぶ声がする…

直接心に囁きかけてくるような…

不思議な声…


 《ルイ…》

再び名を呼ぶ不思議な声…

この声…
どこかで…



 「…」

瞑っていた瞳を開き、声のする方へと目を向ける…


そこには誰かがいる…

金色の長い髪…その髪には、綺麗で、高貴そうな髪飾りがつけられていた。

背の高い、綺麗な女性…

それに似合わない鋭い瞳…


人間……?


 《私は、DRAGONの長。》

 「DRAGON、の……」


長……

トップとなる者……

この女性が……

人間では、ないのか……



長と名乗った女性は、続ける…

 《あなたと一度、お会いしたかった。》



会いたかった…?

…これは、夢、なのか…?


 《DRAGONを、頼みます。》

 「…?」



頼む…?

DRAGONを…?

俺に…?


 《あなたなら、わかるはず。》

 「わかる…?何が……」



訳がわからない……

何がわかるというのだ……


何の事を言っているのか……

全然わからない…



しかし女性は、女性の疑問などお構いもなく、シュウの額に振れる…


そして、初めからそこにはいなかったかのように、消えていった…


 《全てが……さぁ、目覚めなさい。シュウ…》



姿が消えた場所から、最後にそう、シュウの心に囁きかけた…



目覚める……


目覚める…