暗く、足元を照らす光すらない。
頼れるのは、昼間の暖かな日差しのみ…
シュウ達は、長く続くこの廊下を、右に曲がったり左に曲がったり…
どこまで続くのだろうと思うほど、歩き続けていた…
疲れ果て、溜め息ばかりが漏れる中、ある部屋の前で立ち止まるカナメ。
その扉は、固く閉ざされ、開け放たれる事はない事を物語っていた…
が、
カナメは振り返り、ここよ。と、目で合図すると、何の戸惑いもなく、その扉を開き、中へと足を踏み入れた…
一際暗闇が占拠する部屋へと入っていっく…
窓もなければ、灯りもない…
あるのは、ただの壁のみ…
四方を囲む、背の高い壁が、4人の周りに立ちはだかっていた…
入り口付近で立ち尽くすシュウ。
何があるというのだろう…
こんな真っ暗な部屋のなか、何かがあるような気配はない…
ライナス達3人は、一際大きな壁へと歩み寄り、シュウへと顔を向ける…
「?」
着いていくべきだろうか…
そう思い、足を踏み出そうとしたその時…
ギィィイィィー…
何かが動くような鈍い音…
その音と共に、3人の後ろから、灯りが漏れだした…
下からジワジワと上に広がっていく光…
3人が背にする壁には、ブラインドがかかっていたようだ。
そのブラインドが上へ上へと上がっていく…
その度に、この暗闇が占拠する部屋へ、光が満ち始める…
その光景は、まるで、心の闇が、光によって、綺麗に除去されるような……
不思議な感覚……

