緊張のあまり、動けないライナス。
額から汗が伝って行く…
そんなライナスの様子を見て、マリンは面白くなさそうな顔をすると、先に進むカナメの後を追うのだった。
マリンが去った後も、身動き1つ見せないライナス…
その場に固まり、立ち尽くす…
一部始終を見ていたシュウは、顔を歪め、ライナスの肩に手を置きながら、言うのだった。
「ライナス……お前も大変だな…」
まるで、人事のように…
いや、本当に人事なのだが…
シュウの言葉に、我に返った様子のライナス。
シュウの顔を見て、口を開く…
「シュウ、お前も気をつけろよ…」
意味ありげにニヤけるライナス…
その言葉に、何故か背中に寒気を覚えたのは、気のせいだろうか…?
背後から、2つの鋭い眼差しを受けているような、そんな違和感…
生きたいのなら、あの2人の怒りを買うのはよしていた方がいいだろう…
絶対、
生きている限り、
あの2人の怒りは買いたくない…

