指の骨を鳴らすマリン。
カナメは、いつでも攻撃を仕掛けていいという風に、ライナスを睨みつけていた…
「何か、言った?」
マリンと共にライナスに近づくカナメ。
意味深げに右眉をつり上げる…
一歩一歩距離が狭まる…
2人の表情を伺うライナス。
表情からして、本気らしい…
特にマリンは、今にも殴りかかりそうな勢いだ…
「い…いえ……何、も……」
ヤバいと察知したライナスは、後退りながら、両手を前に出し、降参と言う風に手を振った。
ここで刃向かえば、生きていられるかさえもわからない…
「なら良いけど…」
ライナスの否定の言葉に、カナメは許したようだ。
睨むのを止めると、再び前へ進み始めた。
しかし…
マリンは、構えていた拳を、ライナスの顔面に振り下ろす……
「ひっ……!」
恐怖のあまり、目を瞑るライナス…
だが、その拳はライナスの真正面、スレスレで止まっていた…
マリンは、得意の瞬発力を生かし、すんでの所で拳を止めたのだった。
1ミリでもズレていれば、確実に顔に命中していたはず…
本気で振るった拳だ。命中していれば、気絶どころでは済まなかっただろう…

