それを眺めていたシュウ。
何が何だかわからない様子で、3人の顔を見回していた。
それに気づいたルリは、シュウに笑いかける。
「シュウ、大丈夫?」
「え?」
「なんだか疲れたようだったから。」
ケガ人に心配されるのは、何だか気恥ずかしい…
何というか、とりあえず、恥ずかしがった。
突然、少年と少女がシュウの方へと向いた。
そして口を開く。
「いきなり斬りかかってきてよ、内心びびったぜ。」
「それはしょうがなかったあるよ。もういいじゃないあるか。」
「そぉ、だな。シュウ、俺はライナス。名前、覚えとけよ。」
多分、忘れる事はないだろう。
あの綺麗な八重歯が特徴的で、魔法も見せて貰ったのだから。
続いて少女も名を名乗る。
「マリンある。よろしくあるね。」
マリン。彼女の事は必ず忘れない。
何故なら、死ぬのではないかと思いさえもしたのだから…
忘れたら、またいつ同じような事が起こる事か…
「シュウ、2人はあなたの仲間よ。」
仲間…
ルリが言っていた。
仲間の所に行くと。
この2人の元に行くのだったようだ。
…仲間、か……
仲間など、いないと思っていた…
この世の全ての人々は、敵だと思っていた…
俺のせいで家族まで傷つけて…
俺なんがいなくなるべきだとも思った…
だが今、仲間だと言ってくれる者達がいる…
目の前に、3人も…
俺の、仲間…

