BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~


治療が終わり、すぐにルリの意識は戻ったようだ。


 「…んぅ……」

閉じた瞼が、ゆっくりと開かれる…


 「ルリ…?」


目を開いたルリの顔を覗き込む少女。

その顔を見て、ルリは口を開く。


 「…マリン……」

そして隣の少年へと目が向いた。

 「…ライナス…」


 「ヨッ。久しぶり。」

手を挙げ、挨拶をする少年。

魔法を使ったはずなのに、顔のどこにも疲れの色は見えない…


 「元気にしてたあるか?」

少年に続いて、少女がルリに問う。


しかし、その問いに答えたのは、ルリではなかった。



 「いや、元気じゃねぇだろ。」


 「うるさいあるね。」


少年が少女の問いに答えたのだ。


実際に、元気ではないだろう…

さっきまで死にそうな状態だったのだから…


しかし、少女は少年の言葉が気に入らなかったようで、少年を睨みつける…



この状況…

また、言い争いが始まるのか…?



しかし…

 「クスッ…相変わらずね。2人の仲良し振りは。」


そんな2人を見て、ルリが笑ったのだった。


 「は!?」

 「どこがあるか!?」


仲良し…


どこが仲良しなのかと、2人してルリに問うのだった。