BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

この少女、本当に半殺しにしそうな雰囲気に見えるのは、俺だけだろうか…

いや、マジで殺されるかも…


その恐怖のあまり、シュウはもがくのを止めた。

自分が今殺されては、ルリを誰が助ける…?

今は、隙を突いて、攻撃を仕掛けるしかない…


いや、本当に敵ではないのかもしれない…


信じる事に、するか…



 「…」

シュウがもがくのを止めると、少女は手を離した。



 「?何やってんだよ。」

少女の行動を理解できないようで、ルリの様態を確認していた様子の少年は、少女へと目を向けた。


すると、少女は少年とルリの元へと近づいて行く。


 「シュウはもう抵抗しないある。」

 「は?」

 「それより、ルリはどうあるか?」


ルリを覗き込むように見る少女。
少年もルリへと目を戻す。



 「…それがな…心臓一突き…ありえねぇだろ…」

 「ライナスには、無理あるね…」


 「はぁ?俺には無理?」

 「そうあるよライナスにはどうしょうもないある。」

 「なんだと!?お前誰に向かって言ってる!?」

 「ライナスあるよ。」


怒りを露わにした少年は、少女へと怒鳴るが、少女は怯える様子もなく、淡々とした口調で答えた。


 「お前……」

 「やるあるか?」

奥歯を噛みしめて言う少年。
それに対し、少女は攻撃態勢を作るのだった。


睨み合う2人…




それを見るシュウは、呆れた顔で思うのだった…



この2人、何者なんだ…


敵じゃ、ねぇんだよな…