俺は剣を腰にかけ、ルリに近寄った…
冷たい地面へと倒れるルリ…
胸元から流れる大量の血…
心臓を、刺されている…
血が止まらない…どうすれば…
どうすれば…
戸惑うシュウ…
そこへ、再び何者かが現れる…
「意外に近かったな。」
「ルリ達も、急いでたみたいあるからね。」
目の前に現れた2人の人物…
襟足をのばした、赤みがかった髪。
流行をいち早くキャッチするような少年。
ニッと笑うと顔を出す八重歯が特徴である。
長いストレートの黒髪を2つに三つ編みにした、細く、スラッとした少女。
少年に対し、こちらはチャイニーズ系である。
誰だ……敵…?
シュウは剣を握りしめ、2人目掛けて走り出す…
「おい待て!俺達は敵じゃねぇって!」
しかしその声はシュウには届かない…
剣を腰の位置に構え、突っ込む…
「人の話聞けって……マリン…」
少年は呆れたように溜息を吐き、隣の少女へと目を向ける。
「スゥー……」
少年の隣では、気を貯めるように、深く息を吸い込む少女…
そして…
「!」
シュウの構える剣を足で蹴り上げる…
その剣は空へと舞い、近くの木々の根本に突き刺さった。
「…」
シュウはその剣に気を取られていた…
すると…
「っ…」
少女はシュウの腕を掴み、地面へとねじ伏せたのだ。
身動きのとれないシュウ…
どうにかもがくが…
身動き一つとる事もできない…
もがくシュウを見て、いつの間にか、ルリの元へと向かっていた少年がシュウに警告する。
「あんまり逆らわない方がいいぜ。さもないと、半殺しにされるからな。」
「ぇっ……」
半殺し…
少女へと目を向ける…
そこには、優しそうに微笑む少女の姿…
しかし、どこか恐怖を感じる…

