アスカはもう一度ルリを刺そうとしていた…
刀を高く振りかぶり、勢い良く振り下ろす…
「!止めろ!」
俺は、武器も無しに、立ち向かっていった…
何も持たない俺に、何もできる事はないのに…
体が勝手に動きだす…
キーン!
鉄と鉄が触れあう音…
一本の刀が空を舞う…
その時俺は、剣を持っていた…
黒く、長い剣…
柄には、DRAGONの模様…
その剣で、アスカの剣を弾き飛ばしていたのだ…
何故そんな剣があるのかわからない…
しかし、今はそんな事を考えている場合ではなかった…
その剣を構え、アスカへと向けるシュウ…
「っ!」
武器を失ったアスカ…
アスカは俺を見て、そしてルリを見た…
「…死んだも同然…助かるはずない…」
そう言ってアスカは消えた…
ルリを刺し、瀕死の状況のルリを置いて、どこかへと消えていった…
仲間だと思っていたアスカが…
アスカが、ルリを刺した…
仲間だと思っていたのに…
敵だったと言うのか…
そんな…
そんな事…あるはず…
あるはずない…そう思いたかった…
裏切りなど、ないと…
思いたかった…
しかし、アスカは、裏切った…
仲間を…裏切った…

