BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~


体中に酸素が巡らない…

視界が霞んできた…


…もう……駄目だ…



抵抗すれ力もなくなり、シュウは今にも気を失いそうだった…


シュウの首を締め続けるヴェイン…

そんなヴェインへと、何かが飛んでくる…


小さく輝く物…


それをとっさに避けたヴェイン。
シュウから腕を放す。


 「ゲホッ…」

解放され、むせるシュウ。

何が飛んできたのか…目を向ける…


それは…鋭い短剣…

短剣は、どこから飛んできたのか、ヴェインを斬りつける事ができず、地面へと突き刺さっていた。



短剣に気を取られていたシュウ。

そんなシュウをDRAGONが背に乗せた。



そうだ…逃げなければ…

この機会を逃す訳にはいかない…


DRAGONは、シュウとルリを背に乗せ、上空へと飛び立った。



飛び立った瞬間、苦しみの瞳を向ける白きDRAGONの瞳が見えた…


力なく鳴くDRAGON…


命を懸けて、ここまできた…

命を捨てて…



 「戻って!戻ってDRAGON!」

苦しむDRAGONを見て、ルリは叫ぶ…


手を伸ばし、身を乗り出す…


助けたい…

助けたい…

命を懸けて来てくれたDRAGONを…


助けたい…



しかし、その手は届かなかった…


白きDRAGONを、助ける事は、



できなかった…