BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~


頭を押さえたまま、動かなくなったマーガレッド…

そんな彼女の視界から、ふと魔物の姿が消えた…



動揺しながらも、彼女は自分の身を護ろうと、とっさに辺りのガラクタで壁を作る…


壁が目の前に現れた瞬間、その壁に何かがぶつかり、音と共に壁が揺れる…



その音にビクリと身を震わせ、息を呑む…


瞬時にできたその壁はもろく、そんなには保たない…


実際、今既に壁には無数の響が入り、鋭い爪が突き刺さる…




姿を現した爪を見て、彼女は足場の悪い地をフラフラと足早に進み、魔物から逃れようとする…




だが、血の臭いに導かれ、白い魔物は彼女の前に姿を現した…




牙を剥き出し、真っ赤な瞳でマーガレッドを見下ろすその魔物は、鋭い爪でマーガレッドを襲う…


その攻撃を、足に怪我を負いながらも何とか交わし、必死に逃げ惑う…



木片を掴み、刃物に変え魔物に投げ、魔物の攻撃を交わす



だが…


彼女はすぐさま魔物に捕まってしまった…



飛んでくる刃物を鬱陶しくはねのけながら、まるで小さな虫でも潰すかのように、マーガレッドを押し倒す…





 「グッ……」


巨大な腕が首もとを押し潰し、苦しそうに息を漏らす…



顔を歪め、霞む視界で魔物を見上げる…



獲物を捕らえた魔物は、マーガレッドを見下ろした後、けたたましく雄叫びを上げた…





耳を塞ぎたくなる程の雄叫びは、どこまでも響いてゆき…

すぐ側で耳にしたマーガレッドは、血色の悪い肌を更に青く染める…





恐怖で頭がどうにかなりそうになっていた彼女は、とっさに砂を掴み、その砂を短剣に変えると、力任せに目の前の白い腕に突き刺した…




突然の痛みに叫びを上げると、マーガレッドから手を離し、突き刺さった短剣を取ろうともがく…



魔物の腕から逃れたマーガレッドは、魔物の力の源であるライナス目指して走り出す…




かなりの魔力を消耗しているのか、荒い息を吐き、膝をついたまま動かないライナス…


そんな彼へと背後から襲いかかろうとしていた…