彼女の身体は終始震え、フジの胸の中で、ただひたすら涙を流し続けていた…
許せない…
こんなにも苦しめるなんて…
こんなにも傷つけるなんて…
許せない…
沢山の命を奪って…
沢山の苦しみを与えて…
体だけではなく、心にまで、深い傷を負わせるなんて…
治療では治せない、消える事のない、心の傷を負わせるなんて…
どれだけ傷つけて…
どれだけ苦しませて…
悲しませるのか…
どれだけの涙を流させるのか…
許せない…
この世に存在する闇が…
闇全てが…
少女を抱きしめるフジの瞳には、うっすらと涙が滲む…
闇に対して、これ程までに憎しみを抱いたのは、初めてだった…
憎しみの中に沈んで行こうとするフジの背を、暖かな光が照らし出す…
憎しみに暮れる彼を、救いだすように…
闇には落ちるなと、言い聞かせるように…

