レオンに支えられ、引きずられるように前へ進むジン…
ジンは顔を伏せたまま口を開く…
｢…馬鹿は…どっちだ………お前の…研究者リーダーの、指名は……仲間を、助ける事だろうが……それを忘れ………｣
｢お前を救えなくて何がリーダーだ！目の前で苦しんでる奴を救えなくて、何が、何が、リーダーだ……｣
｢レオン…｣
ジンを支えるように添えた手は震え、瞳からは雫が流れ行く…
流れた雫は零れ落ち、赤い床を洗い流す…
涙を止めようとするレオンを見て、ジンは顔を下げると、掠れた声で言った…
｢…わかってんだろ……お前も………俺が、助からねぇって…事………
だったらよ……助けてやれよ…………救ってやれ……大切な、仲間達を………｣
最後に顔を上げ、いつものように、何もなかったように、ニッコリと、微笑んだ…
｢ジン…｣
彼のそんな笑顔を見ると、幸せそうな笑顔を見ると、涙が溢れだしてくる…
止めようとしていたのに…
涙を、見せまいとしていたのに…
なのに…
お前がそんな笑顔見せるから…
幸せそうに笑うから…
だから…
涙が…
涙が、止まらないじゃないか…
馬鹿野郎…
ポロポロと涙を零すレオンを揺れる瞳に映して、ジンは華奢(ｷｬｼｬ)に笑う…
｢……救ってくれ……俺達の、仲間の…命を………｣
言葉を詰まらせながら言うと、彼の体から力が抜け、グッタリとレオンにもたれかかる…
そして…
レオンの腕から滑り落ち、静かに冷たい床へと崩れ落ちた…
｢…ジ…ン……？｣
自らの腕の中からいなくなったジンを見下ろし、レオンは信じられないと目を見開くと、彼の横に膝をつき、肩を揺らす…
｢おい……ジン………｣
何度彼の肩を揺らそうが、閉ざされた瞳は、もう二度と、開く事はない…
｢…ざけるな………こんな時に、ふざけてるんじゃねぇよ………何寝てんだ………なぁジン……起きろ……起きろよ…！｣
流れた涙が、ジンの頬に零れ落ちて行く…
