BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~


酷く爛れたその右手…

骨が剥き出しで、見ていられない…



 「治癒魔法でも、完全には完治しない……もう、俺、ここにはいられないな………役立たずは、出て行かないと……」


右手を挙げ、拳を握ろうと試みるが、あまりの苦痛に顔をしかめる…


そんな彼を見て、彼女は震える声で彼に言う…



 「そんな事、言わないで……出て行くなんて……これ以上、仲間を失いたくないの………貴方までいなくなるなんて…そんなの、嫌……」


 「カナメ…」


 「私が貴方の右腕になるから…貴方を支えるから…それじゃあ、駄目……?」



彼を見つめる彼女の瞳からは、一粒の涙が零れて行った…


その涙を見たナツキは、左手で涙を拭ってやる…



 「…駄目な訳ない…迷惑かけるが、いいのか?」


 「いいに決まってる」


遠慮がちに訊くナツキに、カナメは照れたように笑ってみせる…



そんな彼女を見て、彼はそっと頭を撫でるのだった…





 「ありがと……」


そっと呟く彼に、カナメは再び涙を流し、彼を抱きしめる…





そんな2人の姿を、暖かな太陽が照らし出す…


幸せな彼らを、包み込むように…