窓の外を眺めるサラ。
「来ませんね…」
「…」
ヴェインは椅子に座り、頬杖をついて考えているようだった。
「来ないわ…来るはずない…」
壁にもたれかかるように座るルリが口を開く…
ルリは、動けないようだ…
目に見えない何かに縛り付けられているように…
「君に聞きたい事がある。」
「聞きたい、事…?」
ルリの言葉を聞くと、ヴェインは立ち上がり、ルリに近寄る…
「君は何故、DRAGONに襲われない?」
「…」
顔を覗き込み、問うヴェイン。
その顔は、どこか恐れを感じさせる…
その問いに無言のルリ。
ヴェインの顔を睨む。
「何故だ?」
その顔が気に入らなかったのか、ヴェインは動けないルリの首を掴み、壁に押しつける…
「っ!」
(何て力…でも、言う訳には…)
苦しみに顔を歪めるルリ。
DRAGONについて、何も言う気はないようだ…
「言え!」
答えないルリの首を、更に締める…
しかし…
「……クスッ…」
「?」
ルリは突然笑い出したのだ
「…知らないわよ…」
「?」
「そんな事知らないわよ……知る訳ない…」
ヴェインの顔を睨み付けながら言うルリ。その顔には、何かを企むような、笑みが含まれていた…
「フンッ…まぁいい。もう来なければ、殺すまで。」
ルリの笑みを見て、ヴェインは諦めたのか、首を絞めていた手を放す。
「フフ…」
しかし、ヴェインが去った後には、不適な笑みを浮かべたマーガレッドが近寄るのだった…
「…」
このまま…ここで…
それでもいい…
DRAGONが助かるのなら…
それでも…

