焦りの色を顔に浮かべるライナス…
冷や汗が伝って行くのを感じる…
心臓の音がやけに大きく響く…
そんな時…
「あぁぁあぁー!!」
背後から感じる気配と、不思議な声…
嫌な予感がし、振り返ると…
「ヒッ…!」
顔面すれすれの所を、もの凄いスピードで長い足が通過する…
それに驚き、腰から床へと転んだライナス。
そんな彼を気にする事なく、その足は扉を力強く蹴り飛ばした…
爆発でもしたような音と、辺りに散った木片…
その小さな木片が、彼の額にぶつかり、小さなコブを作る…
「マ、マリン!」
扉を壊した張本人、マリンの名を叫ぶが、彼女は真剣な面持ちで床に腰をつけるライナスを飛び越えると、長く続く階段を駆け上って行く…
「シカト…?」
悲しそうに呟きながらも、彼はすぐさま立ち上がり彼女の後に続き階段を駆け上る…
何十年ぶりに部屋に風が舞い込み、よどんでいた空気が喚起され、新鮮な空気が部屋に満ちて行く…
階段を駆け上る足音が遠ざかって行き、その部屋に再び静けさが舞い戻ってきた…

