少女の悲痛な悲鳴が、様々な思いの叫びに乗って、この廊下を駆けて行く…
その悲鳴が聞こえたのだろうか…?
藍色の短い髪から覗いた女性の耳が、ピクリと動いた…
嫌味に口の端を上げる彼女、マーガレッドは、真っ青な顔をし、服を真っ赤に染めた女性の襟を掴み、首筋に鋭いガラス片を突きつけていた…
「DRAGONの長の居場所、教えてよ。」
ガタガタと恐怖に震え、開いた唇も、痙攣したように震える…
その問いに答える事もできない様子の女性…
そんな彼女に、マーガレッドは短く溜息を吐くと、首筋に添えたガラス片を滑らせる…
「ヒッ……!」
首筋に感じた鈍い痛みに、そこから流れる生暖かい液体を感じ、ビクッと体を震わせた女性は、涙を溜めながら声を絞り出す…
「…こ……この先を…真っ直ぐ……………突き当たりの……か……階…段を……登った…………ッ…!!」
最後まで言い終わる前に、彼女は大きく目を見開き、咳をすると、血を吐く…
「ハハッ……ごめんねぇ。手、滑っちゃった。ハハハッ…」
笑いながらそう言うマーガレッドは、まるでゴミを捨てるように彼女の体を投げ捨てた…
冷たい床の上に倒れる彼女の左胸には、赤黒い巨大な針のようなものが、背中から突き刺さっている…
彼女の流した血液が、マーガレッドの命令で針となり、彼女の心臓を貫いたのだ…
長の居場所を知り、自分に課せられた本当の指名へと向かおうと歩き出した時…
バン!
背後から、何かが弾けるような音がし、その音が聞こえたかと思うと、マーガレッドの青白い頬に、血が流れる…
今まで笑っていた瞳を尖らせ、恐ろしい顔をして振り返る…
するとそこには…
震える両手で銃を構える、男性の姿が…
銀色の髪に、片耳に大きなピアスをした男性、ナツキである。
彼の体は傷だらけで、一際大きな額の傷からは、止めどなく血液が流れ続ける…
銃を握る右手は爛れ、ただ添えているだけにしか見えなかった…

