木々がざわめき、突然吹いた風に乗って、数枚の緑の葉が舞っていた。
真っ青だった空が、重い灰色の雲に覆われ、太陽を食い尽くす…
木々に囲まれた、建物1つないその土地に、風が一吹き…
砂埃が舞ったかと思えば、そこには2人の人間が姿を現した。
顔色の悪い、どこかにやついた男と女…
その内の1人、ミニスカートを履いたボーイッシュな彼女は、腕を後ろに組みながら一歩前へ出ると、右手を前に突き出す。
「何か小細工してるようだけど、僕達には、こんなの効かないよ。」
伸ばした掌に何かが触れたかのように、何もないその空間に電気が走る…
そして…
ただの空き地だったこの地に、突然現れた見上げるように高い建物が…
「ここか、奴らの本部は…」
「そうだね。」
建物を見上げる彼、ローランの手を取りながら、彼女、マーガレッドは悪戯な笑顔を顔に浮かべ、目の前の建物へと入って行く…
高く聳え建つ建物には、太陽の光が届かなくなっていた…
夜のように闇が包み、静かに時が流れ行く…
冷たく刃を持つ強風が吹き荒れ、低い灰色の雲が流れて行った…
太陽に近きこの建物が、闇に占領される、その瞬間だった…

