床に散らばってあった資料に足をひっかけながら部屋に入ると、辺りを見回し頭を横に振る。
そして抱えていた本を本棚に置き、再び逃げようと試みるが…
カチッ……
ドアノブに手をかけた所で、何か嫌な音がした…
何度か押したり引いたりを繰り返すが、びくともしない…
「姉貴の奴、閉じ込めやがったな!後で会ったらぶっ飛ばす!」
開かない扉を力一杯蹴ると、そう叫ぶ。
すると、そんな彼の声を聞いたマリンは、ぼそりと呟いた…
「その前に、ライナスがぶっ飛ばされるあるよ…」
「っ!う、うっせぇっ……!」
マリンの言葉を耳にしたライナスは、プイッとそっぽを向く。
そして何があったのか本棚の整理を始めた。
自分の持ってきた本を並べると、壁に背を預け、床に転がる一冊の本を指差した。
真剣な表情の彼…
そんな表情の彼を見ると、どこか見とれてしまう…
静かにその様子を見つめていると、指差ていた一冊の本が緑色に輝き、フワリと宙へ浮いた…
それを目にしたライナスは、ニッと八重歯を覗かせ笑うと、指を振って本棚へと案内する。
彼の指に従って、その本は本棚へと並ぶと思われた。
だが…
ドサッ……
その音と共に、彼の表情は崩れる…
何かに遮られるように魔法が途切れ、宙へと浮いていた本が床へと落ちていったのだ…
彼は眉を潜めた後、もう一度挑戦しようと指を差すが…
その本はびくともしない…
「魔法は禁止あるよ。大切な資料ばかりあるとかで…」
「は?大切な資料?どこがだよ!?」
両手を広げ、意味わかんねぇ。と呟くと、すぐ側にある本をコツンと爪先で軽く蹴る。
すると…
ドスっ!
部屋の中、そんな重たい音が響いた…

