BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

体が自由になり、2人の人物を交互に見つめた。



シュウの目の前に現れたのは、見覚えのない男性と女性だった。



掴みかかってきて、物凄い表情で睨み付けて来たフウと呼ばれた、ショートカットで、灰色のはねた髪をした、どこか顔色の悪い女性。


もう1人は、燃えるような真っ赤な髪、右頬と左の手の甲に赤い入れ墨があり、右腕には、肩から指先まで刃物かなにかによって傷つけられた、大きな傷のある男性。


 「長から全て聞いている」

 「?」

 「お前を頼むとな。」


男性はそう言うと、ポンとシュウの頭に手を添えた。


そんな彼を見て、フウは腕を組んで言う。


 「フレイ、知ってんだったら先に言っといてくれないと。」

 「すまないな、フウ。」

 「別にいいけど。」


爽やかに微笑むフレイと呼ばれた男性。

その顔を見ると、フウはそっぽを向いた。

顔を反らした彼女の頬が、微かに染まっていたのは気のせいか?





 「フウ、下がっててくれ。」

 「はいはい。」


フレイは微笑みながらフウを下がらせる。

下がれと言われたフウは右手を挙げ、面倒くさそうに遠くへと歩いて行った。


彼女が離れたのを確認すると、フレイはシュウへと顔を向ける。


 「シュウだね?」

 「はい…」

 「じゃぁ、早速始めようか。」

 「?」


始める?

何を?

さっきから、事が進みすぎて、何がなんだかわからない…


いきなりここに連れてこられて…

敵対視されるし…

始めるって…



悩むように眉間にシワを寄せていると、フレイはクスリと笑い、短く答える…


 「特訓を。」


と…



前に伸ばされた、大きな傷のある右手には、真っ赤な刃をした剣が握られており、左手には一回り小さな短剣が握られていた…


黒かったはずの彼の瞳は、赤く染まり、頬の入れ墨が輝いていた…




そして…






彼の背後には…








炎を思わせる赤きDRAGONが、巨大な翼を広げていた…