どこだろう…
ここは…
どこだろう…
雲一つない真っ青な空が広がり、その広い空間を、小鳥達が羽ばたく姿はどこにもない…
草花が春の芽を出し、小さな蕾を身に付けながら、生き続けようとしていた…
どこからか、水の流れる音が聞こえ、悪戯な風が少年の紺色の髪を揺らす…
物静かで、誰もいない…
ずっと先を見つめても、民家一つも見当たらない…
見知らぬこの地…
異世界から迷い込んできたかのように辺りを見回す彼…
何度も瞬きをしては、大きく瞳を開く…
そんな中、動揺しているような彼の眉が、ピクリと微かに動いた…
そして、今までのポカンとしていた表情からは思いもしない、鋭い目つきをし、警戒するように辺りを見回す…
確かに…
確かに今、何かが動く気配がした…
何かはわからない…
敵か…
見方か…
それとも…
ゆっくりと辺りを鋭く睨み、何も見逃すまいと神経を研ぎ澄まされていた…
腰にある鞘を掴むと、漆黒の剣の柄へと手を伸ばした…
だが、その手は剣の柄に触れる事なく、何者かによって遮られる…
伸ばした手を蹴られ、上へと弾かれると、あっという間に襟を捕まれた…
あまりの素早さに、目を見開いていると、襟を掴んだ人物は彼の顔を物凄く不機嫌そうな表情で睨みつけた…
「何だいあんた。敵の回し者か?」
目の前で睨み付けてくる人物はそう言うと、更に恐い顔をする…
「何とか言いな!でないと……」
「止めとけ。」
グッと力強く襟を掴み、急かすように身を押す…
何か言おうとしていたその人物の言葉は、何者かによって遮られた…
「止めとけ、フウ。」
「……」
手を離す様子のない、フウと呼ばれたその人物を止めようと、どこからか現れたもう1人の人物が言う。
すると、ゆっくりとその手を離すが、目はシュウへつ向いていて、鋭く睨み続けていた。
何かあれば、すぐに食いかかる気だ…

