キョトンとした彼女を目の前に、シュウは短く笑い、口を開く。
「参りましょうか、お嬢様?」
そう言うと、彼は悪戯に笑って見せた。
彼の口からそんな言葉が出るとは思いもよらず、口元に手を添えクスリと微笑むと、コクリと頷き手を取る。
その光景はまるで、眩い光が、闇の中の少女を光へと導き出すかのようだった…
闇から、光へと…
古びた扉が、嫌な音を立てながら閉まりきると、そこは何事も無かったかのように、いつもの自然に満ちた空間が広がっていた…
木々が、
草花が、
水達が、
様々音を奏で、
その音楽にのせて蝶が舞い、
小鳥達が歌い出す…
ごく日常溢れるそんな雰囲気…
そんな中を、鋭い歯を持った冷たい風が吹き荒れた…
その風は、
木々の葉を散らし、
花弁をもぎ取る…
水達は荒れ、
小鳥達は逃げ回る…
その冷たい風は、この後起こる、最悪な事態の前兆のようだった…

