BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~


そうこうしているうちに、ある部屋へとたどり着いた…


 「ここは…」

地下とは思えないような広さ…

奥には大きな机があり、そこは資料や本などが散乱していた…


 「研究部屋よ。」

 「研究部屋……」

ルリの言葉に、シュウは辺りを見回す。


高い本棚…
その中には、古い、分厚い本が、沢山並んでいる…

実験に使ったらしき化学材料…
液体が入ったままの試験管…
何かを観ていたらしき顕微鏡…



 「……?」

立て掛けられた様々な刀…
細い物もあれば、太い物もある…
短剣のように短い物もあれば、天井まで届きそうな刀までもある…

数え切れない程の数が、そこにはあった…


 「気になった?」

 「いや…」

刀に目を奪われていると、ルリが近寄り、声をかけてきた。


そして、ある刀を指さす。

 「持ってみて。」

 「え?」

 「いいから…」

 「…あぁ…」

無理やりにも刀を持たせようと、ルリはシュウの背中を押し、刀の前まで歩かせた。


渋々その刀を手に取るシュウ…


その刀に触れた瞬間…

 「!!」


     カランカラン…


シュウは、その刀を手放してしまったのだった…

床へと転がる刀…


何だ…今の…

その刀に触れた瞬間、シュウの体に、何かが伝わってきたのだ…


生きているような…

人間の心臓の音のような何かが、体中に伝わってきた…


その感覚が、放した今でも、未だに触れているように、体に残っている…