あれから1ヶ月…

皆それぞれ、自らの欠点を克服し、新たな力を手に入れた。


現在、木々の立ち並ぶ、見覚えのある山道を歩いていた。

彼らは、研究所本部へと足を進めている。

一度本部へと戻り、現在の状況を伝え、新たな情報を手に手に入れる為だ。



何日歩き続けただろう。

本部との距離を縮める度、サロウがその行く手を阻むかのように姿を現す。

その数は、日に日に増えていった…


だが、彼らには何の問題もない。

サロウなど、いとも簡単に倒していった…



ある木が、風に吹かれざわめいた。


 「フーン…手を出すなと言われましても、サロウでは…」


彼らの見張りをしていたサラは、木の枝に腰を掛け、双眼鏡でその姿を見つめていた。

サロウを彼らと戦わせていた張本人である。


 「ハァ…血が、見たいです…」

自らの青白い手を見つめ、溜め息を吐くと、再び木がざわめく。

次の瞬間には、彼女の隣に2人の人物が立っていた。

 「彼奴等の様子はどうだよ?」


彼女の横に屈み、問う彼女の名はマーガレッド。

彼女の問いに、口に手を当てて考えるサラ。


 「そうですね…強くなってると言えば、強くなってるんじゃないでしょうか?」

 「そう。」


サラの言葉を聞き、立ち上がると、何かを企むかのように笑う。

その横に立つ男性、ローランは、マーガレッドのその笑みを見て、鼻で笑うのだった。


 「何だよ。何が可笑しんだよ?」

 「別に。」


その笑いが聞こえたらしく、マーガレッドはローランに近寄るが、簡単にあしらわれた。


 「フンッ。じゃあ、僕は遊んでこようかな。」

 「遊ぶ?」


楽しそうに笑顔を見せるマーガレッド。

いつ笑っても、彼女の笑顔は、不気味だ。


 「あぁ。任務は終わった。偶然彼等に合ったんだ。何をしようが、勝手だろ?」

 「勝手って…」


サラに顔を近づけるマーガレッド。

近くにある鋭い瞳に見つめられ、サラは身を引いた。