BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~


心配そうに少女を見つめる兵士。

その姿を見ると、ここにはいない方がいいのではないか…と思ってしまう…


そんな中…


 「んぅ…」

少女の瞼がゆっくりと開く…


それを見るなり、兵士は勢い良く立ち上がり、少女の元へ向かう。


 「!ルリ!?」

 「……アスカ……私…」

少女の瞳に兵士の姿が映る。
この兵士は、アスカと言うようだ。


 「ルリ…よかった…」

名前を呼ばれて嬉しかったのか、少女の手を取り、微笑んだ。


やはり、この雰囲気の中、いない方が良かった…と思ってしまう…



そんな時、少女の瞳がシュウに向いた。

 「…!…」

シュウを見ると、一瞬驚いた表情を見せるが、すぐさま目を反らす…


何なんだ、この少女…


シュウと少女の出会いは最低だった…

いきなり殴りかかってくるは…
DRAGONは出るは…



静けさの中、アスカの無線の音が響きわたる…


【アスカ…】

 「!すみません……」

アスカは少女から手を離し、部屋の端へと向かい、通信を始めた。


 「はい。」

【無事か…?】

低い男の声。
兵士の中の上の者だろう。

 「はい」

【こっちにこれそうか?】

 「すぐに向かいます…」


そう言うと、アスカはシュウと少女に頭を下げ、走って出ていった。


この部屋に取り残された2人。


気まずい雰囲気が流れる…