人気のない場所を走るシュウ。
その腕の中には、穏やかに眠る、少女の姿が…
「ハァ…ハァ…」
逃げたもののどうするか…
知る者もいなければ…逃げる場所もない…
ここまで逃げてきたものの…
その時…
「!」
突然、林の中から、鋭い剣先が現れたのだ…
シュウの首に突きつけられたその切っ先…
「っ…」
少しでも身動きすれば、斬りつけられるだろう…
「ルリを離せ…」
「?」
聞き覚えのあるこの声…
この声は…
声の主は、林から姿を現す…
「聞けえないのか?ルリを……!あなたは…」
短い髪に、丸い目、そして礼儀正しい口調…よく話しに来ていた兵士だ。
兵士もシュウを見るなり、剣を下ろし、驚いた表情を作る。
互いに安心した時…
近づく人々の騒ぎ声…
もう、すぐそこに…
「!こちらへ…」
「あ、あぁ…」
兵士は人々の声を聞くなり、シュウをある場所へと案内した。
「ここです。」
「…ここは…?」
林の中、一軒だけ静かに佇む家…
大きいと言えば大きいが、小さいと言えば小さい
「ルリの部屋です。ルリをこちらへ…」
兵士導かれ部屋に入る
俺は彼女を寝かせた

