ダダダダダダダダ…！

この何もない地に、銃声が響き渡っていた…


ルリと少し離れた場所。

そこには、女と戦うマリンの姿があった。



女は、ローブの下に隠し持っていたと思われる、マシンガンのような銃でマリンを襲う…

その大きな銃を片手で持ち、銃から逃げるマリンへと向けていた…



銃から放たれる特殊な銃弾…

弾のような物質はなく、丸い空気の固まりのようなものが爆発する…

その為、マリンの体には、銃で撃たれたような痕はあるが、銃弾程酷くない怪我を負っていた…




　　　ダダダダダダダダダ…！


途切れる事のない銃弾…

それを身を翻し、はたまた地に手をつき、側転をし…
素早い身のこなしで交わすが…

相手に近寄る事はできない…



いくら体力のあるマリンでも、この状態が長く続けば…



　　　　　　ダダダ……


　｢…？｣


突然、長く続いた銃弾が途切れた…


弾切れだろうか？


銃を標的から背け、銃口を高く上げる相手…



　｢やぁぁー！｣

それをチャンスとみたマリンは、一気に相手に走りよると、その銃を奪おうと腕へと攻撃を仕掛ける…

が…



　　　　　　　カチッ…


　｢…！｣


空を切った攻撃…

こめかみに突きつけられた銃口…

身動きが、とれない…


相手は、マリンの攻撃を身を翻して交わすと、すぐさま彼女のこめかみへと銃口を突きつけたのだった…


何もかもがとぎすまされ、相手が引き金へと指をのばした音さえ聞こえたように思えた…


体全体に浮かぶ冷や汗…
速まる心臓…


　｢バンッ……！｣

相手のその声と同時に、グッと目を瞑る…



　｢……？｣

どれだけ時間が経っただろう…
どの位こうしていただろう…


相手の口から出た言葉の次に出ると思われた銃声が聞こえてこない…
痛みも、感じない…


何が起きたのかと、恐る恐る相手へと目をやると…


　｢なんてね…テヘッ★｣

　｢……｣


首を傾げ、笑ったかのように見えた相手…