5メートル程離れた位置に立つ相手は、肩幅に開いていた足を閉じ、シュウに向き直ると、自らの右掌を短剣で傷つけた…


利き手と思われる掌を傷つけ、グッと短剣の柄を握る…

傷つけた掌から、赤い血が流れ出…
その血は、柄を伝い、刃に伝っていく…



 「《水を守りし神よ……今、我が主となる……》」


ツッと伝っていく赤い雫…

柄から刃先へ、短剣全体を伝った血は、1つの雫となり、渇いた地へと落ちていく…



 「《…我に流るる赤い血と、汝に流るる水の血が、今ここで交わらん……》」



左手を添え、血の雫の落ちた地へと刃を向けると、勢い良く突き刺す…


 「《我、今ここに、汝を遣わす!》」

地へと刺した短剣…

何か唱えるように叫ぶと、相手の周りが青く輝きだした…


そして…



 「……ハッ!」

相手の背後にいた何かに目を奪われ、息を呑むシュウ…


渇いた地からでてきた、青い何か…


青い体…
青い瞳…




短剣の柄に刻み込まれていたDRAGONと同じ…


DRAGON…