崖の上…

そこにはまた、あの3人の姿があった…


シュウとDRAGONがいる場所を見ている…


背の高い、痩せたつり目の男は、オレンジ色の髪を2つ結びにした女に話しかける。


 「サラ、行ってくれるかい?」

 「はい。DRAGONを連れて参ります!」

サラと呼ばれたその女は、笑顔で男にそう言った。

それを見て、男はサラの頭をなでてやる


 「よし、なら、行ってきてくれ。」

 「はい…って、ヴェイン様、私1人でですか?」

 「そうだ。」

サラは走り出そうとするが、立ち止まり、男に問う。

その問いに顔色1つ変えずに答える男。ヴェインというようだ。


 「そんなぁ…無理ですよ…あそこには呪文が…」

 「大丈夫だ。封印は解かれている。」

 「?」


首を傾げるサラ。

それに対し、ヴェインは口の端をつり上げて笑う。


 「もう死んだんだからな。」

 「そっかぁ。でも……あっ!」

サラは、どうにも1人で行く気にはならないようで…

崖の端を座る女へと目を止めた。


 「僕は行かないよ。」

それに気づいたようで、男の子のような彼女は、顔をこちらへ向ける事なく、きっぱりと言った。


 「いいじゃないですか、女同士。」

 「今何て?」

女と言う言葉に反応したように、彼女はサラを鋭い瞳で睨みつける。


 「…行って参りまーす!」

それを見て身震いしたサラは、勢い良く崖を飛び降りると、どこかへ向かって走り出した…


 「殺してもいいのなら、行くんだけどね…」

そう言葉を漏らす女。


 「その時は頼むよ、マーガレッド。」


女、マーガレッドと言うようだ。
マーガレッドの言葉を聞いて、ヴェインは口の端を歪めて言う。


しかし、マーガレッドは、顔を一度向けただけで、何も言わなかったのだった…