そんな彼を見て、マリンは口角を上げて笑う。


 「何あるか?もしかして、心配してたあるか?」

 「はぁ?」

 「照れなくていいあるよ。」


呆れたように溜め息混じりに言葉を漏らすライナスの肩を、ビシッと叩くマリン。

その力はもの凄かったようで…



 「ってぇ!!っ……お、お前!」

怒ったライナスは、マリンを捕まえるべく、走り出す。


彼から逃げるマリンは、いつもの笑顔で、遊んでいるかのように走っていた…




そんなマリンを見るシュウとルリも笑顔が零れていて…



彼女の周りにいると、皆が笑顔になっていた…


シュウ達にとって彼女は、太陽のような存在…


仲間を暖かく包み込み、皆を笑顔にする、暖かな存在である。




後ろから追いかけてくるライナスを、余裕そうに見ながら逃げるマリン。


ライナスに彼女は捕まえる事などできないだろう…





ディック…

聞こえるあるか…?


ディック…

これから、
共に生き、
共に戦うある。



これからもずっと…

一緒あるよ…



ディック…





ディックの命は生き続ける。

マリンの中で…


彼を想う、彼女の中で…


永遠に…





1つの風が、緑豊かな草花を揺らした…