何をする気なのだろう…
だが、殺す気ではないという事は確かだ…
DRAGONは、少女の体に巻き付くように漂っている…
俺の視界から、少女の姿は見えなくなった…
何が起こっているんだ…
俺には、この光景が数10分…いや、それ以上もの長さ続いたように思えた…だが、実際は違うのだろう…
「…」
無言で見つめるシュウ…
彼は、ただ見つめるしか成すすべはないのだ…
少女に巻き付くDRAGONは、目を瞑っているように見えた…
すると、瞑っていた目を勢い良く開く…
闇のように黒い瞳が、露わになり、周りの物を、威圧的に睨む…
突然、DRAGONが少女から離れた…
そして、俺目掛けて飛んで来る…
「っ…」
腕の痛みと共に、DRAGONは俺の中に戻った…
この町から、闇のように黒いDRAGONが、姿を消した…
町を破壊する事もなく…
誰一人殺す事もなく…

