「!」

 「何だ?」

膝をつき、痛みに耐えるシュウの姿を見て、少女は目を見開く…

そして、兵士も、周りの町人も、騒ぎだすのだった…


腕を押さえるシュウ…

 「くっ…」


この痛み…

この痛みは…

…DRAGON…


町を火の海にした、あのDRAGONが、再び…


シュウの異変に気づいた人々は…

 「もしかして…」

 「DRAGONが…」

 「「キャー!」」

DRAGONを恐れ、悲鳴を上げ、逃げまどう…

我先に逃げる為…


 「!…」

何かが脱げる脱力感…

DRAGON…

シュウの頭上を、舞うDRAGON…


(また、同じ事が…)

額に汗を浮かべがら、シュウは憎しみのこもった瞳を向ける…

 「…!」

その時、何かに気づいた…

正面へと目を向ける…


目の前には少女がいる…
さっき俺をひっ叩いたあの少女が…

逃げ遅れたのだろうか…


 「逃げろ…逃げろ…」

シュウは動けない体で少女に近寄ろうとするが、力が入らない…


少女は動かない…
いや、動けないのだろうか…

DRAGONを見つめたまま、立ち尽くしている…


 「っ…」


このままじゃ殺される…


再び目の前で…


助ける事はできない…