どの位、彼女を抱き締めていたのだろう…
ハッとして、ルリを解放するが、彼女はシュウに身を預けたまま、動かない…
動こうとしないルリにビックリして、彼女の肩を掴むと、茶色い瞳をのぞき込んだ…
ボーッとしているものの、しっかりと目を開いていて…
良かった…
潰してなくて…
内心ホッとした。
「ご、ごめんっ!」
「ううん…」
謝るも、ルリはシュウから目を反らす…
あぁ…
やらかした…
そう思っていたが、ルリはニッコリと笑ってくれた。
何だかそれだけでホッとして、安心したのに…
「行こ?」
「え?あ、あぁ。」
ルリは俺の手を握って歩いて行って…
どうしてか、それだけでバクバクと心臓が高鳴って…
今にも倒れそうだった…
彼女に恋愛感情がある訳じゃない…
いや、それも否定できないが…
ん?否定できないのか…?
どっちなんだよ…?
まぁそれは置いといて、
ルリはそういう意識はないのだろうか?
こんな夜遅くに、
異性に身を預け、
抱き締められ…
そして次は笑顔で手を握って…
彼女は気づかないんだろうな…
男心に…
止みだした雨の中、そんな事を思ってしまうシュウなのであった…

