あれから数日…
未だDRAGONの情報は入ってこない。
その為、特訓もかねて、木々の多いこの地に居座っている。
ここは、自然も多く、緑豊かな、静かな場所。
時に、小鳥が歌い、
穏やかな風が吹く、
心が癒される場。
最高の場所だ。
日々、特訓を受けるシュウ。
ルリとは剣での真剣勝負。
マリンからは、攻撃の交わし方などの体術。
ライナスからは薬の調合。
様々な事を学び、技術を拾得するシュウ。
彼は、底知れぬ強さを持っている。
凄いスピードで技術を拾得するのだ。
やはり、それなりの力を持っている。
選ばれし者、シュウ。
特訓を受けていたある夜、皆が寝静まった真夜中に、何かに気づいたように目を覚ましたシュウ。
導かれるかのように、外へと向かった。
夜空では、仄かに星達が瞬いているが、パラパラと雨が振っていた。
そんな中、シュウが向かった場所は、
高い木々が立ち並ぶ、すこし開けた、空き地のような場所。
いつもルリに剣術を教わっている場所である。
そこに着くなり、彼は足を止めた。
誰かが、そこにいたのだ。
何者かが、その空き地で、剣を振るって何かをしている。
木の陰からその姿を覗く。
光が当たらないこの地の為、顔は見えないが、女性だという事はわかる。
その陰が動く度に、長い髪が、しなやかに靡くのだった…
雨が降っているはずなのに、彼女の周りには、いつか見た、淡いピンク色の花弁がヒラヒラと舞っていて…
とても幻想的で…
その中で動く彼女は、踊ってるようで…
目を奪われてしまい、見とれてしまった…
途切れる事なく踊る彼女は、淡い花弁から産まれた、この地の妖精のようだった…
ずっとその人物を見つめていると、仄かに輝く小さな星が、彼女の顔を照らした…

