鳥達が木々に止まり、歌い出す。
そんな中、
「大丈夫、大丈夫あるよ。そりゃっ!」
「や、止め……ヴギァャャー!!」
静かな朝、誰かの叫ぶ声が辺りを覆い尽くした…
その悲鳴で、木に止まる鳥達が、警戒音を鳴らしながら飛び立ったのだった。
そんな悲鳴を気にする事なく、何かを決意したのか、シュウは、ルリを真っ直ぐ見つめた。
「?」
「なぁルリ、俺に特訓をつけてくれないか?」
「えっ!?」
思いもしないその言葉。
特訓って…
「頼む。3人に守られてるだけじゃ、嫌なんだ。俺も力になりたい。」
「本気?」
「あぁ。」
紺色の、意志のこもった瞳…
何だか彼が、輝いて見えて…
この時実感した。
彼は本物だって。
この世を救う、唯一の選ばれし者だって…
そんな彼の力になれるのなら、何でもするよ。
私にできる事なら、何でも。
ルリはシュウの強い瞳を見つめ返す。
「私もまだ修行の身。貴方に教えれる事は限られてる。それに、私はDRAGONを遣ってない。それでも?」
「あぁ頼む。」
シュウはルリに頼み込むように、頭を下げる。
本気なんだなって。
「頭を上げて。そんな事されるような身じゃないわ。でも、力になるよ。精一杯の事はする。」
「マリンも手伝うある。」
「マリン。」
顔を上げたシュウ。
ルリの隣には、拳を握るマリンの姿があった。
後ろで倒れるライナスは置いといて…
「剣に頼ってるだけじゃダメあるからね。」
「そうだな。よろしくな。」
「任せるある。」
胸を叩き、自信満々のマリン。
彼女なら、任せられるな。と感じたのだった。

